大阪=「三人姉妹」、東京=「五人姉妹」

先日ジムでトレーニングをしたら、足を痛めてしまった。どうもジムは苦手である。
足の状態を確かめながら30分ほど走る。スピードはあまり出せない。


二つの公演を観る。「ハムレット」と「三人姉妹」。名は間違いなく凄いが、実はどうだったかといえば…


ハムレット」はFrance_panの公演@ウイングフィールド
舞台美術どうなんだろうな。本(文庫本サイズ)らしきを天井から吊るすことによって三つの空間に分けられていて、最初はビジュアル的に面白いなと思っていたけど、
舞台全体が照らされている時の上手から下手までの移動が、後方を通っているのが、うーむ。照明だけで空間区切れなかったのかな。
僕がハムレットを未読なのと、ハムレットの役者が基本的に声を張り上げているのが苦痛になってしまったのとが原因かもしれないが、内容が全然読み取れなかった。
読み取れなくても舞台の強さというか明快さがあれば良いが、そうも感じられなくて。業界の外に届くくらい開放性が欲しい。
大声を張り上げている役者のいる舞台と、その中頭をコクコク揺らしながら終始爆睡していた僕の前の観客との関係が、皮肉だった。


「三人姉妹」』 は地点の公演@大阪市立芸術創造館
「ワーニャ伯父さん」から始まったチェーホフ四大戯曲連続上演をこれで観終わったのだが、
演出家三浦基がチラシの中で、「この戯曲はチェーホフの最高傑作だと思う」と書いているが、地点としてもこの公演が連続上演の中での最高傑作だったように思う。鳥肌が立ってしまった。
悲喜劇の両面性が凄いバランスで表現されており、演出が途方もなく緻密なのに観客に対してとても丁寧である。この分かりやすさは何だ…
悲劇性はこれまでの公演の集大成のような完成度だし、エンターテイメント性は「話セバ解カル」を土台としてつくり上げているように感じた。
こういう作品を観ると、やっぱり舞台に足繁く通おうと思ってしまうのである。舞台でしか味わえない感動がある。秋の東京公演も是非是非観に行きたいところ。
それにしても砂連尾さんが出ているのには、びっくり。キャラクター性の強さに余計びっくり。


ちょうど同じタイミングで、東京ではヤナイハラミクニが「五人姉妹」を公演してるみたいだが、どうだったのだろうか。


最近観たDVD
ミケランジェロ・アントニオーニ「夜」:ライティングがかっこいい。力作、名作だなあ。「欲望」に繋がるようなシーンも見られる。

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ウッディ・アレンさよなら、さよならハリウッド」:ウッディ・アレン節が冴えている。この作品の後が「マッチポイント」だからびっくり。次回作はどうなるんだろ。
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