東京観たものメモ

3か月も訪れなかったら、観たいものはたまるたまる。
それにしても、東京アートビートのカバーっぷりは凄い。「最も人気」と「コメントの多いイベント」で見逃すべきではないイベントは出そろっている。
関西アートビートの運営団体は見つからないのだろうか…。関西の経済・美術状況を顕著に表わしてる気がしてならない。運営中だった時と東京アートビートを比べても違いは甚だしい。
僕は来年の春から東京だから厳しいが、どなたか関西ビートをお願いします。


2年ぶりにダムタイプ 「S/N」を観た@ NTTインターコミュニケーション・センター にて。
鑑賞中、何度も身体は震えた。
この作品には美術的あるいは舞台的感動とは異なる感動を与えられる。そもそも感動なのだろうか?一つの事件に立ち合ったような感覚に陥る。
舞台作品を映像で観ることは、実際のほんの少しの良さしか味わえないというが、それでもこの作品は僕にとって最も記憶に残る舞台作品である。
このような作品は今後生まれ得るのか…奇跡の作品だ。


同じく東京オペラシティ内にあるアートギャラリーで開催の『 トレース・エレメンツ -日豪の写真メディアにおける精神と記憶展』を。
ここではダムタイプの中心人物であった故古橋悌二のLOVERSを。
僕の感覚では、こちらは純粋すぎるほど美術的感動。古橋悌二が試みた愛を情報に還元する過程で、無駄なものは全て削ぎ落とされたかのよう。何て美しい世界なんだ。
他の作品ももちろん興味深い、今後のメディアアートの可能性を覗ける内容。
アレックス・デイヴィスの作品を観て思うのは、インタラクティブ・アートについてちゃんと考えたいということだ。僕はこの作品が好きになれない。
同時開催の麻田浩 展は緊張感が漲っている。


「アヴァンギャルド・チャイナ -〈中国当代美術〉二十年」展』@国立新美術館
中国現代美術史の異様さを思い知らされる。ヨーロッパが長年築き上げてきた美術の流れをたった20〜30年で消化してしまった中国。異様以外何と言おう。
経済と共に、中国美術はこの20〜30年を劇的なスピードで駆け抜けた。そのスピードに最初は資本も付いて行けなかった。付いて行ってたのかもしれないが、そう見せない強さを備えていた。
資本が追いつき、追い抜いたかのような現在の中国美術。成熟へと向かうか、経済と足並みを揃えて減退していくのだろうか。