「聖家族」発売ということで

dadawo2008-09-28

古川日出男の朗読会へ@ガケ書房
先週末に発売された新作「聖家族」刊行記念のイベント。ちなみにこの本、最近の古川作品では考えられないほど厚い(右の写真で一冊やけに厚い本がそれ)!約740ページ、渾身の長編だろう。この作品が挑んだ相手はサグラダ・ファミリア、だそうだ。相当な自信がなければサグラダ・ファミリアを引き合いになど出せないハズ。
古川日出男の代名詞の一つとなっている朗読を生で聴くのは初めてだったが、期待以上に凄い。
会場に現れてすぐに「聖家族」を1ページほど朗読すると一気に空気が変わる、(古川日出男との距離がとても近いのもあって)本屋内が緊張感で漲っていた。
朗読したのは「聖家族」と、何と執筆中の「MUSIC」。「MUSIC」は東京と京都が作品の舞台となっており、京都の場面を生の京都で朗読。
この二つの作品の朗読から受けた印象・感動は大分違う。
「MUSIC」は執筆中ということで荒々しい印象、生まれたての赤ん坊が泣き叫んでいるかのよう。
「聖家族」は、成熟した荒さ、緊迫感。何て言ったら良いだろう、朗読の完成度も高い。
濃厚な一時間強、見て聴かないと分からないよ、これは。12月も再び京都でイベントをするようなので、是非とも行きたい。


そして、古川日出男黒田育世が来年何やらしでかすらしい。
このニュースを古川日出男のブログで知った時、驚きながらも合点がいった。
BATIKのダンス−特に黒田育代のソロ−と、サウンドトラックのヒツジコ達が違和感なくリンクするのだ。

サウンドトラック

サウンドトラック

この二人がどのように一つの作品を創り上げていくのか、今から楽しみでならない。(どちらもyou tubeだと良さが一割くらいしか分からないが!)
 


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