10月5日:『呼吸機械』

もう一生の中にこのような舞台は二度と観れないんじゃないか。


維新派の新作を観に行く。僕にとっては初めて生で観る維新派の野外公演。
そして、この日は雨。
全身レインウェアに身を包んでの2時間の観劇。パフォーマーは2時間雨に打たれながらプレイ。
あれだけ終演後に拍手をしたのも初めてである。
どこまでが演出だったのか気になるところだが、終盤のパフォーマーが地面を足で叩いて舞い上がる水飛沫が照明で輝く様は忘れられない。
雨による幻想的な雰囲気や、2時間フルに観劇に集中できないシチュエーションのおかげもあって、印象的な場面はとことん感動的でもの凄く記憶に残っている。
このように書くと実際に作品はどうだったのかとなるが、すごく完成度は高い。
本作品は、20世紀の世界を舞台にした3部作の2作目で設定は第二次世界大戦前後のポーランドだが、その歴史の重みが舞台をより良いものにしている印象。
これは1部作の「nostalgia」にも共通して言えることだが、歴史を題材していることがそれ以前の維新派の舞台とは違ったものに仕上がっている要因となっていると感じる。
場転も驚きの連続で、大道具が素晴らしい!!<彼>の動きも「nostalgia」より大分良くなっていた。
パフォーマーの方はもちろん、対応に追われたであろうスタッフの方も本当にお疲れ様でした。
今週の木曜から後半公演となるので、時間のある方は是非観に行ってみてください。「nostalgia」も貼付。
 



最近観たDVD
「パラノイド・パーク」:ガス・ヴァン・サント節が唸る。若者を描かせたら、この人の右に出る奴は今の映画界にいないんじゃないかと思ってしまう。「エレファント」や「ラストデイズ」とはちょっと違う、独特の緊張感とか狂気的な美しさはないけど、それらの壁を超えた感じ。今年のベストワンか。

ちょっと気になっているのは、序盤の刑事に尋問されているシーンで主人公の少年が立ち寄ったハンバーガー店の立地が世界貿易センター(WTC)の中になっていること。オレゴン州にもあるのか…?
DVDにチャプターがないのも良い、あの機能要らないと思う。


「ゴッド・イン・ニューヨーク」:スコセッシ監督が絶賛したらしいが、確かに面白いけど絶賛するほどでは…

ゴッド・イン・ニューヨーク [DVD]

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明日に向かって撃て」:ポール・ニューマン追悼第2弾。やっぱり格好良い。しかし、何でボリビアに向かったんだろう。映画の設定となっている時代背景なのか?