美術は450円、舞台は4,500円

先日、4,500円の舞台作品を招待で観させてもらうが、とても不満足な内容。学生割引で450円にて下に書いた企画展を観て、面白くて満足な内容。単純な比較など出来るはずはないけど、この金額差に今更ながら驚く。

ウィリアム・ケントリッジ 「歩きながら歴史を考える そしてドローイングは動き始めた……」東京国立近代美術館:作家が述べる「石器時代の映画制作」という言葉を見つけて、すごく分かりやすい言葉であり、その姿勢に共感を抱く。石器時代だけに他の映像作品にはない時間の扱い方が感じられる。作家が語ろうとする内容に対して、その語り方がしっかりマッチしているのが、とても素晴らしくて感動していた。


遊園地再生事業団「バルコニーの情景」@ドイツ文化センター:こちらは1,500円のラボ公演。リーディング公演の在り方は多様であって良いのだろうけど、リーディング公演であるからにはリーディングでその戯曲の面白さや演出家の解釈の仕方を吟味したいもの。その点、多くの要素が入っていたこの公演は、本公演ともリーディングとも言えない、曖昧で消化不良な印象を受けてしまった。本公演に向けた稽古の延長線上の中途半端な状態のように感じてしまって、リーディングとしての表現になり得ていたのか、そこに疑問を抱いてしまう。んー、けど、どうなんだろう。それとは別に、ト書きを読む宮沢さんは間という言葉も発声していたけど、それは飴屋法水のサイコシスの「サイレンス」を思い出させる。宮沢さんがブログであのセンスを指摘していたのがあるのだけど、飴屋さんの間の扱い方と比較しながら観ていて、そして今回は面白くなかった。あと、宮沢さんの噛みっぷりには苦笑せずにはいられない。