広島と下関で観た建築

広島市
谷口吉生広島市環境局中工場」:バスで目的地に向かっていると、道路の突き当たりに見える建物。すぐに、これだ、と分かる佇まい。一つ一つのボリュームの美しい連なり、エコリアムの解放感等々、魅力が多く詰まった建築。谷口さんの建築は写真でも素晴らしいけど、実際に観て、空間を体感したい気持ちを引き起こす。
  
    


山本理顕広島市西消防署」:全面ルーバーで覆われた外観。かなりのボリュームのアトリウムを中央に置き、事務所等のオフィス機能のある二つのボリュームがそれを挟んでいる。多用されるガラス面、半外部の通路、何て言うか、明快で力強いプラン。
  


三分一博志「brood」:内部と外部をゆるやかに繋ぐパーゴラ、みたいだが、冬のせいか、ここがどういう機能を持つ空間なのか全然分からなかった。オブジェのように見えてしまわなくもない。間仕切り用のカーテンもあまり利用されてない感じを受ける。
  


下関市
池原義郎「唐戸市場」:ロングスパンの可能たらしめている力強さを感じさせる天井が印象的。観光地としての市場にふさわしい広々とした空間。入口側の全面開口や天井からの採光等で、古い市場によくある陰気さを感じさせない。
  


隈研吾「川棚の杜」:歴史はある、が、活況とは言い難い温泉地に隈研吾のデザイン性の強い建築が建つことに、若干の懸念を抱いていたが、実際には良かった。背景となる小山の連なりを転写したかのような外観デザイン。オーガニックかどうかはよく分からないが、街の起爆剤になり得るかもしれない、と感じた。はっきりとした仕切りがなく、高低差に富んだ奥行きのある内部空間は心地よい。しかし、ダクトや配線が剥き出しなのはクエスチョン。コストかなー。あと、裏手で隣接する周囲の住宅とのギャップが激しいのは否めなく、それを良しとするのか。
      
   
  

向かいに建つ温泉に行ったら、全身に刺青の入った方々が露天風呂にいらっしゃったのが衝撃。