正月は走って観る

年明け早々に走っていた。次の日曜に駅伝に出場する為の準備であるが、急ピッチで鈍った体を仕上げていた正月であった。箱根駅伝は少しだけ見ていたが、9区を走っていた駒大のキャプテンの表情から、シード権を獲得しようとする強い意志やキャプテンとしての責任感を感じ、感銘を受ける。あの表情で他の走者を抜き去るシーンを見て、きっと最終10位まで追い上げるだろうと確信してランニングに出たのだが…残念だった。来年に雪辱を果たして欲しい。


最近読んだ本
「良心の領界」:スーザン・ソンタグが日本で浅田彰等と行ったシンポジウムや、ヨーロッパでの講演の記録、エッセイ等が収録されている。「勇気と抵抗について」という講演記録を読み終えると、現在のイスラエル軍のガザへの侵攻に対する悲感がより強くなる。一刻も早い停戦を願うが、地上侵攻で更に深刻な状況に陥ってしまっている。ソンタグが存命であれば、どう訴え、どのような行動を起こしただろうか。シンポジウムと「美について議論」では、言葉に対するソンタグの深慮な態度に触れると共に自分の未熟さを思い知るのである。本をたくさん読むことを若い読者へのアドバイスとして序文にて促しているが、ソンタグの発言、文章に触れるとその必要性を痛感するのだ。何度も読むべき価値がある本だと思っている。

良心の領界

良心の領界

正月に観た映画
アカルイミライ」:複雑な線を巧みに力強く一本の映画としてつくり上げていた。オダギリジョー演じる主役の青年を軸にストーリーは展開されていくが、ペットとして飼われていたクラゲの存在もまた太い軸として置かれている。アカルイミライとは…、この映画における青年とクラゲの変遷を重ねながら観て考えたい。時間をおいてもう一度観たい作品。正月度★★★

アカルイミライ 通常版 [DVD]

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「ワンダフルライフ」:是枝監督、面白い作品を撮るなー。多数の一般人の出演が、この作品をとても味のあるものに仕立てているように思う。正月度★★★★
ワンダフルライフ [DVD]

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小説家を見つけたら」:ショーン・コネりー演じる小説家と青年が育んでいく友情を、ガス・ヴァン・サントが魅力的に撮っている力作。正月度★★★★「ジェリー」:このような実験的な作品を、「小説家を見つけたら」で称賛を得た後にトライしてしまうこの監督に非常に好感を持つ。美し過ぎる自然の中で二人の男が彷徨い続けるこの作品は、文明批評的に感じられる。正月度★★
ジェリー デラックス版 [DVD]

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「黒猫白猫」:僕の中でベストコメディ映画。何も考えずにこのジプシー達によるどんちゃん騒ぎな世界を堪能したい。正月度★★★★★
黒猫白猫 [DVD]

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「ジプシーキャラバン」:映画館で観そこなっていた作品。マハラジャのパーカッションが凄いし、終盤のセッションには感動。ジプシー達の生き方、家族に対する思いは現代社会への多くのメッセージがある。愛がなけりゃ生きていけないって言ってたおっちゃんがかっこ良く、印象に残っている。正月度★★★
ジプシー・キャラバン [DVD]

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