土台は固まってきた気がする

宮沢章夫が著作の中で文学の有無みたいなことについて語っていて、それについて考えることがよくある。これは建築でも音楽でも何でも極めて重要なことだと思っている。先日、ポスト〜世代の旗手みたく打ち出されているCDを借りたのだが、作品とは別に小冊子のようなものが付属されていてその内容に驚く。美しい風景写真を背景にして美しい言葉を紡いでいるように思えるが、読みながら文学の無さを感じずにはいられなかった。音楽自体も軽いというか直情的過ぎというか。しかし、案外この軽さが良かったりしてしまうから言葉に詰まるところもある。ということで、最近small musicでよくレンタルしてる、お世話になっている。此処は品揃えとか雰囲気とか良い。
アルバイト、無事に採用してもらえた。昆虫喫茶である。新しく面白い人脈ができることを多いに期待できるし、刺激のある空間にいられることは嬉しい。ハローワークにお別れを告げに行かねば。やはり僕は外に出たい。そして、奨学金の貸与が予想よりも早く始まりそうである。これは本当に嬉しいことで、順調なら5月中旬には一人暮らしが始められそうな気がする。やっと新生活の基盤が整ってきた。ホッと一息つけそうだ。


最近読んだ本
石上純也 ちいさな図版のまとまりから建築について考えたこと』:この現代建築家コンセプトのシリーズ本は結構面白い企画だと思っている。各建築家のプレゼンテーション資料を読んでいる感覚というか、建築作品/プロジェクト等を本という媒体で表現する上でのアプローチの仕方に各々の個性が出ていると感じる。本当に多様で興味深い。完成度に疑問が無いわけではないが、2,000円弱というリーズナブル(?)な価格といわゆる作品集では味わえない手作り感が伝わってくるのが良い。で、石上純也。この人は実作をどれだけ残せるのだろうというのが、本を読んだ直後の感想である。アヴァンギャルドとかエクストリームとかいった言葉で収束させてしまって良いのかも、これが新しいのかも判断がつかないが、示唆に富んでてとても参考になったのは確か。この人は建築がつくりたいのか、と疑問に思っていたが、非常に建築的なことは分かった。

石上純也|ちいさな図版のまとまりから建築について考えたこと (現代建築家コンセプト・シリーズ)

石上純也|ちいさな図版のまとまりから建築について考えたこと (現代建築家コンセプト・シリーズ)