6日:東京→山梨→茅野

6−7日の二日間で山梨、長野の建築を観る。
6日、朝6時に中野を出て長坂駅へ。清春芸術村を訪れる。印象に残った建築をいくつか。
清春白樺美術館谷口吉生の設計。中央に築かれた水路を見ているとソーク研究所が頭に浮かぶ。ロダンの彫刻が展示されている半屋外スペースがロールスクリーンで遮光されてしまっていたのが残念。空間が上手く活かされていない印象を受ける。ここが一番魅力的な空間なのは、 芸術村のホームページを覗けば分かる。向かいの建築との呼応が是非観たかった。

ルオー記念館:同じく谷口吉生の設計。谷口さんの美術館以外の作品を観たのも、ここまで小規模の作品を観たのも初めて。外部と切り離された静かな瞑想の空間。扉が印象に残っている。
  
茶室 徹:藤森照信の設計。藤森さんの茶室を観るのは初めて。思ってたより低いな、という印象。小さな建築なのに、捉えどころのない屋根の形状や開口部の位置によって、建物の表情が本当に多様で面白い。一度で良いから茶室の中に入りたい。
    


なかなか芸術村を離れられなくて走って駅に向かい、ギリギリで予定していた電車に乗り込める。茅野市へ。電車を降りてすぐに、ホームから茅野市民館の存在に気づく。館内にあるカフェで昼食。古谷誠章だなーと感じる場所が随所にある。駅からのアクセスが最初に図書館にあたるのが素敵だし、地上の駐輪スペースもうまいなーと思う。古谷さんの建築は優しい。RCの建物では受けたことのない感覚を受けるのは、 スケールの上手さだろう。見晴らしの台という名前だったろうか、あの空の切取り方も優しい。ちょうど会期中の 展覧会の内容もすごく良かった。こういう駅前の街づくりはすごく良いなと思った。どこに行っても大きなロータリーとショッピングビルの組み合わせの凡庸な地方都市には誰もがウンザリしているのではないだろうか。この建築に関して、もっと勉強したいと思う。