金持ちにはなれないようだ

初対面のおばあちゃんに、あんたは金持ちにはなれないと言われてしまった。まあ、間違いではないだろう。お金持ちは、お金持ちになりたいと思っている人がなるものだろう。そういう欲、と言うか、なりたいと考えたことが無いから、そこをしっかりと見られたのではなかろうか。

誰もが何かしらささやかな楽しみを持っていると思うのだが、僕はもっぱら近所の図書館で数限りあるCDの中から掘り出し物を探すことが最近の楽しみでならない。大阪に住んでいた頃は、市の中央図書館まで自転車で40分近くかかっていたので、10分以内に図書館がある今の環境は大変嬉しい。図書館をなめてはいけない。何故かLou Reedを5枚もストックしているのだ。NASだってPUBLIC ENEMYだってGANG STARRだって置いているのだ。

明日、長野に向かうのでホテルを予約。松本市泊だが、安い。3,000円台のホテルがどんどん見つかる。出来る限り、時間に余裕を持って建築を観たいので、5時起床だ。今起きてて大丈夫なのか。


最近観た展覧会
アイ・ウェイウェイ「何に因って?」森美術館:会場に入って、通常の展覧会と違うことにすぐに気づいたのは、鑑賞者がここぞとばかりに写真を撮っている姿を見た時。作品の写真撮影可の展覧会は日本ではなかなか珍しい。内容は、かなり強度のある作品群。単に作品が大きいとかそういう視覚的なインパクトではなく、中国の数多いる作家の中で埋もれず存在感を放ち続ける作家の哲学を思う。圧巻は断片というタイトルの作品だろうか。中国の地形を描くように廃材木が組まれた規模の大きな作品。図面を見ると、川俣正のように現場に揃った材料で考えながらつくり上げるのではなく、完全にコントロールされてつくられているよう。川俣正の魅力は作品としての自由度の高さだが、アイ・ウェイウェイのそれは圧巻の強度。そんな作品の中で記念撮影を行ったり、「これ芸術じゃん」と言って写真を撮ってそのまま通り過ぎる鑑賞者達。自分が六本木ヒルズの中にいることを、これほど感じた時は今まで無かっただろう。


最近読んだ本
『スケッチで学ぶ名ディテール』:実測による説得力の強さを思う。遠藤さんの記憶力の凄さは圧巻で、プロフェッショナルという言葉が浮かぶ。いや、職人かな。しかし、世代差と言って良いであろう距離を、本を読みながら感じるのも事実としてある。しかししかし、良い本である。建築への愛が詰まっている本。

スケッチで学ぶ名ディテール

スケッチで学ぶ名ディテール