やはり行っとかないとということで横浜トリエンナーレへ
横浜トリエンナーレ 2008へ。今月までだし、今行かないと訪れるタイミングを失ってしまうと腰を上げた。写真はトリエンナーレと関係ありませんが、飯田善彦設計のピア赤レンガ。このアノニマスさは好き。
酷評が多そうな気がする。僕も楽しめたとはとても言えない、祭典て難しいよなと思う。参加作家の著名さはともかく、企画展という要素だけを取れば去年の六本木クロッシングの方が面白かった。
何が良くないのだろう。舞台芸術家が多いことや、マシュー・バーニー、マリーナ・アブラモビッチ、ヘルマン・ニッチェ等を招待したことは現代社会に対するアプローチとして共感できるけど、観客にきちんと伝えられているかと言ったら残念ながらNOだ。企画は難しい。
映像作品が多過ぎたことに対する疲れは多くの人が感じているのではないだろうか。
一番注目されているであろう勅使川原三郎はすごい人の並びようでパフォーマンスは観れなかったが、後日インスタレーションは見学。もの凄く緊張感のある空間、ここで勅使川原三郎が踊っているのを想像するとそりゃみんな長居するだろうな。
訪れる人が若い世代中心ながらも老若限らなかったし、家族連れもちらほらいたことはとても素敵だった。
この祭典を盛り上げていこうという街の雰囲気も感じることができたのは良かった。大さん橋の写真を一つ二つ。大さん橋内のH BOXも企画としては面白いけど、狭過ぎて肝心の作品に集中できなかった。
「オン・ユア・ボディ」展へ@東京都写真美術館
他の展覧会で作品を観たことのある写真家もちらほら。on your bodyに何があるのか、この前置詞にかかる単語はtimeだったと思う。写真や映像の作品だから当然と言われるとそうだが、身体を通してより意識的に時間を顕在化させようと表現している作家が多かったように思う。好き嫌いはともかく志賀理江子は鋭いな。横溝静はとてもコンセプチュアル。
最近読み終えた本
「人類と建築の歴史」
- 作者: 藤森照信
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2005/05/01
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20世紀以降の建築について語られる本は数知れずあるが、これは建築の始まりから古代建築までに重きを置きながらユーモアに語られた本だと思う。
多様性のない近代以降の建築を批判するように、建築の歴史を紙に包んで両端を捻ったアメ玉みたいと比喩しているのはすごく的確。全6章のうち、20世紀建築が語られているのは最終章だけだが、
建築の消失点を目ざしてより軽く、より透明にゼロに向かって無限に近づきつづける漸近線的状態が今後の大勢となると語っているが、その代表が石川純也になるのだろうか。
妹島和世もそこに入ってくるかと思いきや、僕はちょっと違うと思う。住まいは円形から始まったという話から思い出される現代建築家は妹島さんであり、プリミティブであることに対して意識的な伊東豊雄と違って感覚的に円形やカーブを用いているように思う。漸近線的状態が大勢となるという藤森さんの意見には疑問なのである。そんなに簡単には不幸な方へ進まない気がする。