駒場へ

初めて駒場へ行ったのだが、家から近かった。自転車で約20分、東京広いようで案外狭いな、としみじみ。隣駅の辺り(池ノ上)も含めて、こじんまりとして印象良い。前川國男設計の住宅を観る。丹下健三が担当していたようだが、玄関部の開口から入る光が気持ちよさそうだ。写真では分かりにくいが、瓦の中央部分が開いています。


最近観た舞台
『cryptograph』@こまばアゴラ劇場:2年前に京都で観た際にとても印象に残っていた作品で、再演というのに興味もあったのだが、やはり観に行って良かった。役者一人ひとりに対する丁寧な演出が、観客の視点を多視化させる。これは演劇でしかあり得ないな、と感じさせる作品の強度がある。様々な角度から見つめられた都市を舞台上で表現する松田さんの作品は素晴らしい。ただ、まだまだ分かりかねる箇所は多々あって、2年後にまた観たいな、と思う。


最近読んだ本
『ヘヴン』:久しぶりに良い作家に出会えたと、小説の終盤で感じ始めて、読み終えて確信した。これまでの川上未映子の作品は未読で、独特の文体とリズムのようなものを想像していたが、この作品はそんな面影はなくて作家の新たな挑戦と言えるのだろう。ニーチェ等の哲学者からの影響がこの小説の土台にあるようだが、今更と言われそうな題材を作者なりの解釈と時代性と勢いをもって文学として表現しているように思う。コジマに見られるキリスト的なるものは、良い例か。高いテンションを常に保ち続けている強度のある作品。んー、良い作品です。

ヘヴン

ヘヴン